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スタッフストーリー

有機EL、太陽光電池、機能材、半導体……/受託研究の名捕手が語る「私とAIの違い」

スタッフストーリー

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「スペシャリティケミカルチーム課長」。これがマナックの山崎孝浩さんの肩書です。どんな仕事でしょうか。「ちょっとわかりにくいかもしれませんね。わかりやすくいいますと、医薬品以外なんでも担当する部署です」と山崎さん。お客さんから、どんなボール、いや、要望が飛んできても、全身を使って受け止めるキャッチャーといったところでしょうか。山崎さんに手がけている仕事について聞きました。

■ この記事でわかること
✔ 山崎さんの部署は、有機ELや太陽光電池など医薬品以外の多様な製品を担当している 
✔ 山崎さんは部下の個性を見極めつつ、自らも開発の現場に立ち会うマネージングプレーヤーである 
✔ 山崎さんはコンピューターやAIではできない提案力が、自分の腕の見せどころだと考えている 

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分野は太陽光電池や半導体まで様々

「扱う商材は多種多様です。有機EL部材や太陽光電池、樹脂系の素材に添加する機能材などの中間体が多いですが、それにとどまらず、半導体関連の中間体もつくっています」

マナックの得意技である臭素化やヨウ素化だけに限りません。あらゆる化学合成についての要望が集中する要のポジションが「スペシャリティケミカルチーム課長」です。

こだわり派も、周囲との協調派も、まとめあげる

そんな山崎さんの直属の部下は20~30代の3人。それぞれの得意分野を見極めながら、仕事を割り振り、さらに自分も化学合成の現場に立ち会い、開発の一線に立っています。マネージングプレーヤーです。

日々やりとりする部下や同僚のタイプはさまざま。自分の力で最後まですべて成し遂げようとする「こだわり派」がいる一方、まわりにいろいろと聞きながら進めたいタイプもいて、「それぞれの特性を見ながら、仕事をまわしています」

「僕自身はあんまり干渉されたくないタイプ」という山崎さんは、西日本の出身者が多いマナックでは珍しい関東の出身。海に面した神奈川県の横須賀や逗子で育ち、地元の横浜市立大学に進学しました。そのまま大学院まで進み、2004年にマナックに入りました。

マナックで開発の一線に立つ山崎さん

ピッチャーをうまくリードする力

お客さんをピッチャーにたとえれば、キャッチャーである山崎さんには、ボールを後ろに逸らさない力量が求められます。すなわち、お客さんからのどんな要求も、しっかりと受け止め、真摯に話を聞く力です。

ただ、それだけでは試合には勝てません。ピッチャーをうまくリードし、ストライクゾーンにいいボールを投げてもらうことが大事です。山崎さんのキャッチャーとしての幅を広げるきっかけになったのは、入社3年目から3年間の東京での営業経験でした。

「お客さんの望みをそのまま開発部門や製造部門に伝えて、とにかく、これでつくってください」と社内に頼み込むストレートな営業マンでしたが、結果として、コストがかかりすぎて、お客さんか、自社か、どちらかがその分の損を被らなければならなくなってしまうこともあったそうです。

「それでは、ウィン・ウィンにならず、関係が長続きしないんですよね」

お客さんがどれくらいの期間で、いくらまでの費用で、どの程度の品質の製品を求めているのかを見きわめ、それにあった提案をしていくことでしか、ストライクゾーンは広がりません。

コンピューターやAIにはできない提案を

いくつかの化学物質を混ぜ合わせた結果、どんな中間素材ができるかは、専用のソフトを使えば、お客さんでも、一定のイメージをつかむことができます。そのソフトの性能は年々上がってきています。

しかし実際の開発では安全性やコストも考えなければならず、また期間や費用を無尽蔵にかけるわけにはいきません。一定の制限という「変数」を加味したうえで、最適な化学合成を導きだす。これらは、ソフトでは対応できません。製品開発の最大のポイントはそこにあります。ピッチャーのその日の調子に合わせ、微妙にサインを変えていくような作業。「化学屋」の真価が問われる局面で、名キャッチャーがいるからこそ、マナックの受託生産が信頼される理由があります。

「コンピューターやAIにはできない提案を示せるかが、自分の腕の見せどころだと思っています。日々、改良に改良を重ねていく。その積み重ねが、新しい注文に的確にこたえられる力になると考えています」

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