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ディスプレイをより鮮明に、より長持ちするように/マナックが誇るハロゲン化製法特許ができたわけ

技術・特許, 製品

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液晶ディスプレイに変わる新たなディスプレイとして、テレビやスマートフォン、ゲーム機、車載ディスプレイなどに有機ELが広く使われるようになってきました。

マナックは、有機エレクトロルミネッセンス(EL)分野をはじめとした電子材料分野において有用な、ハロゲン化に関する製法特許を複数保有しています。これをうまく活用することで、ディスプレイの輝度やディスプレイ本体耐久性の向上が期待できます。

マナックが推進しているこれらの「芳香族のハロゲン化」に関する製法特許の取り組みについて、知財・研究企画推進室の高橋さんに話を聞きました。

製造技術を特許化するきっかけ

マナックが保有している特許は2021年6月時点で、国内51件、海外49件です。これらの特許は、そのほとんどが「モノ」に関する特許ではなく、化合物の製造プロセスに関する製法特許です。

これらの特許には、マナックが自信を持っている技術の一つである「芳香族のハロゲン化」に関する特許が含まれています。

有機ELディスプレイに用いられる発光材料や電子写真感光体などの製造中間体として、ハロゲン化合物が有用ではないかと目を付けたマナックは、2008年ごろから調査を始め、2010年ごろに開発に参入しました。

最近、あらゆる電子デバイスに使われている有機ELディスプレイは輝度の高さや寿命の長さで商品の優劣を競うようになっています。マナックに対し、材料生産を依頼するお客様は、輝度や寿命について、厳しい基準を示してきます。こうした要望を、マナックはコア技術であるハロゲン化技術を活かすことで解決してきました。

有機ELが普及するにつれてユーザーがディスプレイに求める基準はどんどん高くなり、ユーザーの欲求を満たすために、デバイスメーカーの材料に対する基準も厳しくなっていきます。そのたびに、マナックは既存の製法をチューニングしたり、新たな製法を開発したりすることで、メーカーの要求に応えてきました。

特許化する基準は「市場性」と「技術アピール」

優れた技術を持っていたとしても、それをすべて特許化できるわけではありません。どの技術を特許化するのか、あえて特許化せずにノウハウとして社内に蓄積しておくのかの判断は分かれます。

マナックが開発した製法を出願するかどうか判断する基準は、次の2点です。

1つ目は、自社の持つ技術が、お客様の価値や市場性に繋がるかどうかです。

例えば、従来よりも多少コストは増加するものの、化合物の純度を高められる製法を開発したとします。電子材料分野では、この純度が重要な要素となってくるため、純度を高められる技術であれば、お客様の価値に直結しているといえます。一方で、もし純度を重視しないお客様が多ければ、コストが増加する点はデメリットとなります。

高橋さんは「仮にハロゲン化に関する新たな製法を開発したとしても、それがお客様の価値や市場性につながらなければ、社内で特許化を進めないという判断をします」と話します。

2つ目は、「他社に公開しても問題ないか?」という点です。特許として公開するということは、自社の技術の重要な部分を広く公開するということです。

マナックが保有しているような製法特許には、一定以上の技術と設備を持った化学メーカーであれば、その技術の抜け道を見つけ特許範囲を回避することもできるというリスクがあります。

高橋さんは「特許化することで自社の製法を他社に知られることによるリスクよりも、公開をすることによって大きなメリットを得る必要があります」と指摘したうえで、こう話します。

「具体的なメリットとして、まずは法による保護があります。それ以外にも競合の牽制やクライアントに対する自社の技術アピールなどが挙げられます。メリットとデメリットとを明確にして天秤にかけることで、新たに開発した技術を特許化するかどうか判断します」

特許化されていないマナックの技術

長年蓄積した技術の中で、マナックが特許化し公開しているのは、社内での厳正な審査を通過した一部のみです。

高橋さんは「特許化している技術は、開発した技術の中でも氷山の一角です。特許化出来た技術だけでなく、開発を豊富に経験している開発者の持つノウハウも重要な技術です。今後は、開発者の頭の中にあるアイディアをもっと掘り起こしていきたいと考えています。その結果、マナックであれば解決できるかもしれないと、相談してもらえるようなお客様との信頼関係構築に役立てていきたいと思っています」と話します。

医薬品など複雑な構造への活用が期待される芳香族ハロゲン化技術

マナックのコア技術であり、今まで実績を積んできた芳香族のハロゲン化技術を活かせるのは、電子材料分野だけではありません。例えば医薬品分野など、複雑な構造で最終生成物を直接生成するのが難しい化合物に対して、有効な技術といえます。

医薬品は体内に取り込むものなので、必要な化合物以外の不純物が含まれないようにする必要があります。しかし、従来の製造方法では化合物の純度を高めるために、複数回の精製を行う必要があり、生産性の悪化に繋がります。

実際に、マナックが化合物の純度に関して、医薬品メーカーの課題を解決した実例は、以下の記事を参照ください。

マナックが培ってきた芳香族のハロゲン化に関する製法や技術は、医薬品分野をはじめとした複雑な構造の化合物が必要な分野における課題を解決できる可能性を秘めています。次回の記事で、マナックが保有する電子材料分野の芳香族ハロゲン化製法特許3つの内容を紹介します。

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