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技術・特許

最先端の半導体には必須! マナックも手掛ける次世代レジスト関連原料「TIP」とは

技術・特許, 製品

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【CAS No.】609-23-4
【化学名】2,4,6-トリヨードフェノール
【化学式】C6H3I3O

2024年2月に世界シェアトップのファウンドリー「TSMC」が熊本工場の稼働を始めるなど、近年盛り上がりを見せる半導体業界。半導体は、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器を動かす「心臓部」であり、生成AIや電気自動車(EV)などの最先端技術にも欠かせない存在です。

需要は右肩上がりと言われている半導体は、経済安全保障の観点からも製造に必要な物資のサプライチェーンの重要度が増しています。

このような状況下、マナックが製造するヨウ素化合物「TIP」が国内外で大きな注目を集めています。最先端の半導体をつくる上で欠かせないとも言われるTIPはいったいどのような化合物なのでしょうか。

シンプルゆえに多彩な可能性を持つ。ヨウ素化合物「TIP」とは

TIPは「2,4,6-Triiodophenol(2,4,6-トリヨードフェノール)」の略です。フェノールに3つのヨウ素原子が結合した、非常にシンプルな構造をしています。

TIPのようにシンプルな分子は、大きい、あるいは複雑な分子をつくるための「パーツ」として使われます。TIPを他の分子と結合させることで、さまざまな化合物が作り出されるのです。TIPは現在、医薬品や電子材料といった多くの分野で「パーツ」として活躍しています。

そんなTIPの用途として近年注目を集めているのが、半導体製造で使われる「レジスト」材料の原料としての活用です。

半導体の回路を描くのに不可欠な「レジスト」

半導体は、シリコンでできた薄い板(ウェハー)の上に、非常に細かい電子回路を描くことでつくられます。この工程で重要な働きをするのが、レジストと呼ばれる感光性の材料です。

半導体の回路は、一般に以下のような工程を経て描かれます。

① 成膜:シリコンウェハー上に回路の基となる膜(被エッチング膜)を塗る

② レジスト塗布:被エッチング膜の上にレジストを塗り、レジスト膜を形成する

③ 露光:回路のパターンを描いた板(フォトマスク)を通してレジスト膜に光を当てる
光が当たった部分のレジストの性質が変化し、光が当たっていない部分に比べて溶けやすく、または溶けにくくなる。

④ 現像:レジスト膜に現像液をかける
光が当たった部分のレジストだけが溶ける、または残ることで、フォトマスクのパターン通りに回路の形が浮かび上がる。

⑤ エッチング:レジストで保護されていない部分の被エッチング膜を取り除く

⑥ レジスト除去:残っていたレジスト層を除去する
フォトマスクのパターンが被エッチング膜に転写される

上記の製造工程において、レジストは、フォトマスクに描かれた回路のパターンを被エッチング材料に転写するための「仲介者」として機能します。レジストがなければ、半導体を製造できません。

TIPは、このレジストをつくるための原料として用いられます。非常にシンプルな構造ゆえに応用性が他のヨウ素化合物と比べ広いTIPを「パーツ」として使うことで、お客様におけるレジスト研究開発プロセスにおいても使い勝手よく、複雑な構造のレジスト合成をアシストしています。

半導体の微細化を可能にするTIPのチカラ

世の中にはさまざまな構造のレジストが存在しますが、その中でもTIPを使ったレジストには大きなメリットがあります。それが、「非常に微細な回路を持つ最先端半導体」の製造に使える点です。

半導体の回路は、年々微細化が進んでいます。回路を細かくすれば、消費電力の低減や高性能化といった多くのメリットを享受できるためです。

微細化を進める上で重要なのが、露光工程で当てる光の波長です。一般に短波長の光ほどレジスト上に微細な回路パターンを描けるため、露光工程では、つくりたい回路の線幅よりも短い波長の光を使う必要があります。つまり、今後半導体の微細化をさらに進めるには、より短波長の光に反応するレジストが必要となります。

ここで登場するのが、TIPを使ったレジストです。TIPのようなヨウ素化合物を含むレジストは13.5nmというきわめて短波長の光に反応するため、現在求められている最先端半導体を製造するためのレジストとして最適なのです。

TIPを使ったレジストは、半導体業界の進化を担う重要な物質だと言えるでしょう。

マナックの技術力で、高品質・低コストなTIPを実現!

マナックはヨウ素化合物の開発に取り組む中で、低コストかつ高純度なTIPの開発に成功しました。現在、半導体業界を含む幅広い分野に提供を開始しています。

TIPの原料であるヨウ素を安定的に調達できる点も、マナックの強みです。世界的なヨウ素の供給不足が続く中でも、低コスト・高純度なTIPの製造を継続できる環境を整えております。

半導体の進化とともに、今後ますます需要が期待されるTIP。マナックは今後も、TIPの製造・販売に力を入れていきます。

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