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スタッフストーリー

「マナック=臭素」の秘訣/福山育ちの工場長が語る「次世代に伝えるべきノウハウ」

マナックは国内の化学中間体メーカーの中で、臭素の消費量ナンバーワンを誇ります。臭素は取り扱いに相当な注意を要するため、取り扱う会社は減少傾向にありますが、様々な化学反応に使われています。マナックが臭素を取り扱える理由は、「臭素の取り扱い方を熟知しているから」。酒林淳・福山工場長に秘訣を聞きました。

若い人から見たらただの液体

「臭素は、いわゆる劇物じゃけん」
「昔からここ(マナック福山工場)におる人は、臭素の怖さ、知ってるんで」
「最近は、漏れ出さないのが前提なので、まあ、怖さを知らん若い人から見たら、普通の液体かもしれん」

福山生まれの酒林さんは、福山弁でポツポツと話し始めました。

臭素は、酸化だけでなく付加・置換などの反応性が高いのが特徴です。合成された臭素化合物は、電子材料や医薬品の中間体として多用されます。一方で、刺激臭があり、揮発した気体を多量に吸入すると最悪の場合死に至るケースもあります。

毒性の高い化合物の取扱いを避ける企業が増えるなかで、マナックはなぜ臭素を使い続けるのでしょうか。

「粉末状の臭素化剤はとても扱いやすい。ただ、粉末状の臭素化剤だけでは化学反応でできるものが限られる。臭素を使うと、より多くの化学反応ができるので製品のバリエーションも増えるし、コストも安く済むんよ。臭素を使えることがマナックの強みだから」

6つの工場に取り付けられたアルカリ除外塔

酒林さんは「まあ、あらためて臭素の取り扱い方がどう優れているのかと聞かれても、よう説明できんのだけど……」と言って、続けます。

マナック福山工場には6つの工場棟があり、臭素をためる大型タンクから配管を通じて、各工場に直結しています。工場で化学反応を起こす際に、臭素が必要になったときに、いつでもすぐに取り出せるようにするためです。配管の材質は、かつては鉛配管が主流でしたが、最近は樹脂ライニング配管主流に変わっています。

「鉛の配管は加工が難しく経年劣化に対応できんのよ。樹脂ライニング配管も万能ではなく劣化はあるけど対応は可能。配管が各工場に直結しているのはマナックの強みだし利点だけれども、維持するのは相当大変。定期的な点検や部品交換をするタイミングはいつも気にしとる。あとね、やっかいなのは、臭素は揮発性が高い、というところ」

臭素は非常に気化しやすいため、漏れ出した量が微量であったとしても工場内従業員の健康を害するおそれがあります。このため、各工場には臭素成分を吸収して「中和反応」をさせるアルカリ除外塔を設置し、臭素を無害化する仕組みを導入しています。

マナック福山工場内にそびえ立つアルカリ除外塔

環境負荷にも配慮し、臭素化反応の際に副生する臭化水素酸は、一部無機臭素化物の製造に利用しています。無機臭化物は、薬剤原料などに使われています。

休日に電話がかかってくるとビクッ!

酒林さんは、大学で生物化学を専攻して1986年に入社以来、マナック一筋。入社直後は排水設備の立ち上げなどにかかわりましたが、その後は企業からの受託案件にこたえる研究をし続け、2017年に工場長に就きました。

この5年間で、大きな臭素漏出事故は起きていませんが、トラブルはまったくの「ゼロ」ではないのが現実だといいます。

「夜に電話がかかってくるとビクッとするんよ。マナックの工場は土日も関係なく動いているじゃろ。電話がかかってくると、ついつい『工場で臭素が漏れたか!』と思ってしまうんよ」

安全を確保するためには、この臭素を使うための設備の絶え間ない定期点検が欠かせません。そのうえで酒林さんはこう話しました。

「ベテラン社員が当たり前と思っていることが、臭素を扱ううえでの重要なノウハウになることもあると思う。そういうことを次の世代に漏らさず伝えていくことが、我々世代の大事な仕事だと思っている。最近は新型コロナの感染対策で、世代を超えて話せる機会が減ってしまった。どうにか、うまい方法はないもんかね? こういう時代にも対応していくことが大事なんやと思う」

マナックの工場は24時間動き続け、様々な化学中間体をつくり続けています。

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