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技術・特許

「高品質で低価格」を原薬だけでなく幅広い分野へ!マナック製DAIBを国内外に広める営業戦略

技術・特許, 製品

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「高品質だけど、価格が高い」という意見を受けて、自社製品である「DAIB」の製法改良に取り組んできたマナック。

大スケール製造における乾燥方法の問題を解決し、顧客工場での評価をクリアして、ようやく高品質・低価格なDAIBを販売する準備が整いました。

次に必要なのは、この新たなDAIBを拡販するための営業活動です。国内および海外でそれぞれDAIBの営業を担当している田中豪さんと小土井文生さんに、今後の営業計画や拡販に向けた思い、DAIBが活躍できそうな市場などを聞きました。

まずは医薬品メーカーに向けて積極的に営業したい

「やはり、直近の営業ターゲットは医薬品メーカーですね」と、田中さんは語気を強めます。

医薬品原薬の製造過程では、酸化反応を起こすために「酸化剤」が使用される場合があります。この酸化剤として、DAIBが注目されているのです。他の酸化剤もある中で、なぜDAIBが選ばれているのでしょうか?

実は、従来の酸化剤の多くは鉛や水銀、タリウムなどの重金属を含んでいます。そのため毒性があり、安全性を重視する原薬の合成に使うのは好ましくないとされてきました。

一方、有機化合物であるDAIBは従来の重金属酸化剤と類似の反応性を示す上に、低毒性の環境にやさしい酸化剤なので、原薬の製造に適しているのです。「グリーンケミストリー(環境にやさしい合成化学)」に対する意識の高まりもあり、「これまで使っていた金属系酸化剤をDAIBに置き換えたい」と考える医薬品メーカーは多いはずだと言います。

「今回開発した高品質・低価格なDAIBは、医薬品メーカーにとって魅力的な酸化剤だと確信しています。マナックのDAIBに興味を持っていただけたら、気軽に連絡していただきたいですね」(田中さん)

田中豪さん

苦難の時期を乗り越えて、海外でも拡販を目指す!

マナックが狙うDAIBの市場は、国内だけにとどまりません。海外での拡販に向けても既に動き始めています。そのキーマンが、月1回のペースで海外出張に出向くという海外事業推進部の小土井さんです。

「DAIBは海外でも大きな需要があるはずです。特に、医薬品産業がさかんなヨーロッパには最優先でアプローチしたいと考えています。海外の展示会に出展したり、マナックの別製品を使用している海外顧客にDAIBを紹介したりして、できる限り多くの海外企業にマナックの高品質・低価格なDAIBを知ってもらいたいですね。海外企業はSDGsの意識が高いので、副生物をリサイクルできる点もよいアピールになると思います」(小土井さん)

精力的にDAIBの海外展開を進めようとしている小土井さん。その原動力は、DAIBを海外に販売したくてもできなかった過去の経験にありました。

「実は、安全性の問題からDAIBをWET品(非乾燥品)として販売していた時期がありました。WET品は乾燥した製品より爆発危険性はないものの、品質的に不安定なので、長時間輸送すると品質が劣化する可能性があります。それもあって、あの頃はDAIBを海外に販売できなかったのです。非常にくやしい思いをしましたね」(小土井さん)

そんな小土井さんにとって、製法改良によって生まれた新しいDAIBは吉報でした。乾燥させて提供できるうえ、以前より各段に低コストで販売できる。自信を持って海外に売り込める新製品の登場に、小土井さんは心が踊ったと言います。

「今後は私の営業力を駆使して、新しいDAIBを世界中の企業に届けるために力を尽くします。魅力的な製品ですから、海外メーカーも喜んでくれるでしょう」(小土井さん)

小土井文生さん

医薬品以外にも!DAIBは多くの分野で活躍できる

医薬品分野の酸化剤として需要が多いDAIBについて、田中さんは「他の産業でも従来の金属系酸化剤をDAIBに置き換えるメリットは大きい」と言います。それだけ、現在の酸化反応には課題が多いのも確かな事実です。

「化学物質の製造プロセスにおいて、酸化反応は「避けたい反応ナンバーワン」だと言われてきました。金属系酸化剤は環境負荷が高いですし、反応生成物中に金属が残留するとユーザーで不具合を起こすケースもありますから。例えば、金属系酸化剤を使用して電子材料を合成すると、材料中に残った金属が電気回路に不具合を起こすこともあります。そのため、酸化反応を経由しないよう、わざと非効率な合成経路を選択することもありました」(田中さん)

DAIBを使えば、この酸化反応の現状を大きく変えられると言います。

「DAIBを酸化剤として使えば、金属を含まない安全な生成物を合成できます。そうすれば、これまで避けていた酸化反応が積極的に使えるようになり、反応経路の短縮やコストの削減につながるでしょう。DAIBは、酸化反応をより使いやすい反応に変える優秀な試薬です」(田中さん)

医薬品原薬や半導体材料から、スマートフォンに使用される有機ELや液晶などの電子材料まで、きわめて広い分野での活躍が期待されるDAIB。マナックはあらゆる産業の発展に貢献するため、今後もDAIBの製造・販売に力を入れていきます。

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