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スタッフストーリー

「もうだめかも…」と待ち続けた結果、
婦人科治験薬の中間体を製造することに!
/新薬中間体の製造現場から①

マナックでは、医薬品に使われる中間体や原薬などの研究・開発・製造を進めています。製造管理責任者の廣野満祐さんは入社以来14年間にわたり、主に原薬及び治験薬中間体の製造に携わってきました。人の命にかかわるだけに、厳しい法規制をクリアする必要があります。廣野さんに、その舞台裏を聞きました。

厳しさを増す法規制を遵守

前職では医薬品関係の企業に籍を置き、原薬及び治験薬を開発・製造する仕事に携わっていたという廣野さん。その実績を買われ、14年前にマナックへ入社しました。

現在は、マナックの製造部で医薬関係の製造管理責任者として、主に医療用医薬品と呼ばれる薬の有効成分である原薬や医薬品関連の中間体を製造しています。

「薬は病気を患っている方が飲むものなので、もともとレギュレーションが細かく定められているのですが、その基準が年々厳しくなってきています。変化していくレギュレーションに対応しながら製品を製造していくのが、大変ですね」

本当はもう少しコストダウンをしたり、もっと簡易な工程で製造したりしたいと思っても、レギュレーションの壁にぶつかって断念せざるを得ないこともよくあるのだといいます。

「そこをどうクリアしていくかが、今後の事業の課題になっていくと思います」

10年余りかけた新薬がついに申請段階へ

今、マナックでもっとも注目されている製品のひとつは、婦人科領域の治験薬中間体です。この新薬の中間体の一部をマナックが製造し、残りを他社が製造。それらを合わせて一つの薬ができあがるといいます。どの企業にも得意分野と不得意分野があり、それぞれが得意な分野を担当して最終的に一つの薬に仕上げることが、多いのだそうです。

薬の開発は、気の遠くなるような年月を要するものです。この新薬の中間体も、マナックで製造検討をスタートさせて10年以上になるといいます。気の遠くなるような長い年月をかけて、ようやく申請段階まで進んだということになります。

廣野さんは、マナック入社当時より、この薬に携わってきました。

順調にいけば近い将来認可が下り、新薬の誕生となる可能性もみえてきました。

段階的に臨床試験を重ねる

新薬の開発は、薬をマウスなどの小動物に与えて、血中の薬剤がどう反応していくかをみる前臨床と呼ばれるものから始めます。その次の臨床試験は、フェーズ1、2、3と3段階に分かれていて、最初は健常者、次に少数の患者さん、最後に大人数の患者さんを対象に確認をします。薬が効くかどうかはもちろんですが、人体に悪い影響がないかを10年くらいかけて、みていくことになります。

「この動物実験の段階で薬効がみられなかったり、副作用が出たりして、開発をやめてしまう薬が圧倒的に多いですね」

その原因はさまざまで、身体の中に吸収されたらまったく薬効がなくなってしまうこともあれば、体内で反応して毒になってしまうこともあるといいます。今回の婦人科領域の治験薬は、臨床試験のプロセスが順調に進んだほうだといいますが、それでも10年以上かかっています。

「もう無理だろう」とあきらめかけたことも

「今回の新薬の中間体の製造では、初期段階から苦労が続きました。何種類もある原料を入れる順番が変わるだけで不純物の量が変わり、製品になる量も変わります。温度や時間などのちょっとした違いも品質に影響してきますので、安定化させていくのが難しいところです」

研究段階では実験室で試してみて、それが安全となったら工場の製造現場に持っていきますが、量が増えることによって、研究段階ではなかった現象が起きることも多くあります。そうなると、問題箇所を研究所にフィードバックして、変更を加え、また製造現場へ戻す、という作業を繰り返していくといいます。

「もう無理だろうと思ったこともありますよ。私たちの力でどうにもできないことがありますから」

臨床試験の結果は秘密情報になるので、あまり情報が入ってこない時期もあり、「もうだめだったのではないか」と思う時期が3年ほど続いたこともあったそうです。

「待っている間は祈るだけですね。この10年が無駄になるか、実を結ぶかの分かれ目ですから。不安も募りますが、新薬の開発はうまくいかないことが当たり前の世界。うまくいけば本当に幸運だと思います。私自身もうまくいかなかったことのほうが圧倒的に多いです」

たとえうまく結果に結びつかなかったとしても、さまざまな知見を得ることになるので、無駄ではないのだといいます。次の製品にその知見を活かすことができれば、会社にとってはプラスになり、次につながります。マナックの財産として蓄積されていくわけです。

※次回は、製造過程でぶつかる難しいハードルの乗り越え方を聞きます。

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