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技術・特許

求められた臭素化剤の代わりにDBDMHを提案して顧客の製造コスト削減に貢献

技術・特許, 製品

1521

【CAS No.】77-48-5
【化学名】1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン
【化学式】C5H6Br2N2O2

マナックは、臭素やヨウ素などの「ハロゲン」を含む化合物(ハロゲン化合物)のほか、ハロゲン化合物をつくるために必要な臭素化剤なども製造・販売しています。マナックが扱っている臭素化剤の一例としては、NBSとDBDMHがあります。

事業部で医薬品関連製品の営業を担当している田中豪さんは2019年の冬、NBSを求めていた企業に対し、別の臭素化材DBDMHを代替提案し、相手企業の製造コストを下げることに成功しました。

どのような経緯で代替提案をするに至ったのでしょうか。NBSとDBDMHの違いにも注目しつつ、その軌跡を追ってみます。

臭素化剤とは?

臭素化剤は、化合物に臭素(Br)を結合させてブロモ化合物(Brを含む化合物)をつくるために使用する試薬です。対象化合物と臭素化剤とを混合して温度を適切に設定すると、臭素化剤中のBrが対象化合物に移動してブロモ化合物ができます。

ブロモ化合物中のBrは、自身の位置に別の化合物をくっつけるための「接着剤」として働きます。ブロモ化合物をさまざまな化合物と「接着」させることで、さまざまな中間体をつくることができるのです。

臭素化剤は、医薬品や電子材料をはじめ、さまざまな分野の中間体をつくる際に使用されています。

NBSとDBDMHってどんな臭素化剤?

NBSとDBDMHはどちらも、カルボニル基(C=O)に隣接した窒素(N)にBrが結合した構造をしています。カルボニル基の横にあるNは反応性が高く、Nに結合したBrは外れやすくなります。その結果、他の化合物にBrを与えることができるのです。

NBSとDBDMHは、含まれるBrの数が違います。NBSには1つ、DBDMHには2つのBrが含まれています。

NBSを用いてブロモ化合物Aをつくりたい場合、元の化合物と同じ量のNBSが必要となります。これに対し、DBDMHには2つの臭素が含まれるため、DBDMH1つで2つの化合物を臭素化することが出来ます。つまりDBDMHを使用すれば、NBSの半分の量でブロモ化合物Aをつくることができるのです。

NBSよりも効率的に臭素化を行えるDBDMHですが、業界で一般的に使用されているのはNBSで、DBDMHは扱っている会社が国内でも少なく、認知度はあまり高くありません。このため、相手先企業はNBSを求めてきたのです。

代替提案をした田中豪さん

マナックがNBSの代替としてDBDMHを提案した理由

マナックはNBSとDBDMHを販売しています。しかし、上で説明したように臭素化の際に使用する量はNBSよりもDBDMHの方が少なくて済むため、DBDMHを使った方が相手先企業の製造コストが下がる可能性があります。また、NBSとDBDMHは同等の反応性を有し、後処理も同様に行う事ができます。こうした背景から、NBSの代わりにDBDMHを提案するに至ったのです。

このケースでは、相手先企業の開発段階が比較的初期であったことも幸いしました。ある程度開発が進んだ段階で臭素化剤をNBSからDBDMHに変更しようとすると、実験データを取り直したり、製造手順書などの書類をつくり直したり、といった手間が発生してしまいます。ただこのケースはNBSを使った試作段階だったため、臭素化剤をDBDMHに変更したとしても大きな問題は生じませんでした。

お客さま側のコスト、使用方法、そしてお客さまの開発段階までも把握した上で適切な代替提案をする。これがマナックの営業力なのです。

顧客と一緒に製造プロセスを検討

マナックは臭素化剤だけではなく、最適な製造プロセスの提案も行っています。「この化合物をつくりたい」という相談に対し、より効率的な製造プロセスの開発に、お客さまと協力して取り組みます。こうした顧客主義のプロセス開発に、さまざまな合成の経験で蓄積してきたデータ、ノウハウが活かされています。

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