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自社技術・製品を開発する「湘南ラボ」が本格始動/「ニーズ把握で技術発展を」

技術・特許, 製品

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臭素・ヨウ素を使った化学反応を駆使して、化学分野の中間体をつくるマナックの独自技術は、広島県福山市の工場内に設置された「研究所」が培う技術開発や経験によって支えられています。一方で、医薬や電子部品の領域を中心に、より付加価値の高いファインケミカルのニーズが高まり、中間体メーカーも技術革新を迫られています。マナックが2020年11月に開設した「湘南ラボ」(神奈川県藤沢市)は開設から1年が経ち、ファインケミカルの最先端研究が急ピッチで進んでいます。

医薬・電子材料分野などファインケミカルの先端研究の場

湘南ラボは、自社技術・自社製品を開発するために設置されました。いま開発している技術は、①マイクロフローリアクター技術を使って高選択的に目的化合物を合成するプロセスの開発②ペプチド合成に使う反応試剤、というファインケミカル分野です。両研究とも、マナックにとってチャレンジングな先端研究とも言えます。

研究所の山本克巳所長はこう語ります。

「マイクロフロー合成とペプチド合成は、多くの医薬品メーカーに関心がある領域ですし、電子材料メーカーにも対しても転用できる技術です」

マナックのメインラボである福山の研究所では、他企業から受託した案件の研究を主目的にしており、じっくり腰を据えて自社の技術開発をする環境がつくりにくかったといいます。

「いま研究している2つのテーマは、2人の研究員が福山の研究所に在籍していたときから考えていたもので、将来必ず役立つ技術です。これまで培った自社の技術を活かして、湘南ラボの目的である『自社技術・自社製品の開発』を実現したいと思っています。当社にとってはかなり先端の研究課題に取り組んでいるので、その実現までは3年ぐらいかかるだろうと思っていますが、ここまで順調に進んでいます」

交流することで他社のニーズ把握

湘南ラボは、藤沢市にある湘南ヘルスイノベーションパーク(通称=湘南アイパーク)内にあります。湘南アイパークは、武田薬品工業が2011年に湘南研究所として設立、その後2018年に企業発のサイエンスパークとして開放されたもので、多くの企業や大学など、産学官連携の場となっています。22万㎡の広大な敷地に建つ、延床面積31万㎡の研究棟に、製薬企業や、医療・AI関連のスタートアップ、ベンチャーキャピタル、大学や行政など120を超える企業団体が入居しています。

施設内には、飲食や飲酒ができるスペースや自由に使えるラウンジスペースなどがあり、施設の管理者側も、入居者なら誰でも参加できるセミナーを開いたり、ランチミーティングや定期的な交流会を開いたりするなど、入居者同士の交流を促す機会をつくろうとしています。

マナックが着目したのは、「入居している企業の多くが将来の顧客候補でもある」という点でした。

「他社の皆さんとマナックの研究員が交流することで、他社が抱える課題やニーズを知ることができます。受託開発テーマは、それ自身が明確にお客様のニーズですが、自社開発テーマは、自ら企業(お客様)のニーズを把握したうえで、自分たちが持つ技術を活かした研究テーマを生みだしていかないと、社会課題の解決にはつながらないし、会社の発展も見込めません。湘南ラボでは、そうした『ニーズから出発する研究サイクル』を生み出したいと考えています」(山本所長)

新型コロナウイルスの影響で、入居者同士は思うように交流できない状態が続いていますが、山本所長は「感染状況が改善すれば、交流は活発になると思います」と話します。

研究拠点増やし優秀な人材を採用したい

マナックの研究拠点は、福山工場内のメインラボと湘南ラボのほかに、コンパウンド開発をする富山ラボ(富山県高岡市)と、新規難燃剤・難燃材料等を研究する郷分ラボ(広島県福山市)があります。研究拠点を各地に設けることには、前述のとおり、「自社技術や製品に関しての研究に専念する、没頭できる環境をつくりたい」という理由がありますが、もうひとつ重要な理由があります。

山本所長はもともと、研究拠点を増設するにあたり、関東や中部地方のレンタルラボを探していました。その矢先、有機合成をする実験設備が整っている湘南アイパークとめぐり逢い、新規ラボをつくることになりました。山本所長はこう説明します。

「湘南ラボの開設は、マナックの未来を担う優秀な学生を採用するためでもあります。これまでマナックは福山に生産拠点があったので、採用する学生も西日本中心でした。関東に拠点を持つことで、これまでマナックのことを知らなかった多くの学生に、マナックを認知してもらうきっかけにしたいという思いがあります」

今後は、「福山の研究所―湘南ラボ」間の異動を活発化することや、湘南ラボの人員増も検討しているといいます。

「福山は住みやすいので、なかなか離れたがらない傾向があります。一方で、福山にいると、当然ながら企業実績に直結する受託研究に時間を費やすため、研究員がそれぞれ持つ個人の研究テーマを深めていくことがどうしても後回しになりがちでした。湘南ラボの開設によって、自由な発想で研究に没頭できる環境をつくって、自社技術や自社製品の開発をすると同時に、優秀な研究員を採用できるようにしていきたい」(山本所長)

湘南ラボに配属された若手研究員2人は、オンライン会議で、福山にいる熟練研究員の知恵やノウハウを聞きながら、最先端研究を深めています。

次回から2回にわたり、湘南ラボの若手研究員2人が進めているファインケミカルの最先端研究を紹介します。2021年11月中旬、下旬に公開予定です。

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