電子材料などの中間体としても大活躍!/「アルキルハライド」シリーズ
【CAS No.】75-26-3
【化学名】2-ブロモプロパン
【化学式】C3H7Br
マナックは、臭素やヨウ素などの「ハロゲン」を含む化合物(ハロゲン化合物)を製造・販売しており、薬や家電製品、半導体材料、複写機の感光体といった中間体として利用されています。販売品の一例としては、「アルキルハライド」「α-ブロモ化合物」「異種ハロゲン化合物」などのシリーズがあります。
今回は、電子材料などの中間体に使われる「アルキルハライド」シリーズの特徴や用途などを解説します。
「アルキルハライド」と言われても、どのような化合物かピンとこない場合がほとんどでしょう。アルキルハライドは、炭素と水素からできた「アルカン」とよばれる化合物中の水素をハロゲンに置き換えたものです。「ハロゲン化アルキル」「ハロアルカン」ともよばれます。
■ この記事でわかること ✔ マナックは、電子材料や医薬品向けにハロゲン化合物を製造・販売している ✔ アルキルハライドは、他の化合物を結合させる接着剤として機能する ✔ 最終化合物の製造には、アルキルハライドが重要なパーツとして利用される ■ おすすめ記事 ・ 複雑な化合物もお手のもの!/「異種ハロゲン」シリーズ ・ 酸性や塩基性の特性を与える/「α-ブロモ化合物」シリーズ ・ 最先端の半導体には必須! マナックも手掛ける次世代レジスト関連原料「TIP」とは
contents
アルキルハライドとは?
ハロゲン部分で他の化合物と「接着」する
2種類の化合物をくっつけるという作業は、
- それぞれの化合物の元々の結合を切る
- 2種類の化合物の間に新しい結合をつくる
の2つの工程の組み合わせです。
もともとあった結合を切るためには通常大きなエネルギーが必要ですが、炭素とハロゲンの結合は比較的弱いため、少ないエネルギーで狙った位置の結合を切ることができます。その結果として、アルキルハライドのハロゲンの位置に他の化合物が結合する反応(カップリング反応)が起こります。このとき、ハロゲンは抜けます。
つまり、アルキルハライド中のハロゲンは、自身の位置に別の化合物をくっつけるための「接着剤」として働いているのです。
アルキルハライドは最終化合物の「パーツ」として使われる
電子材料や薬として使われる化合物(最終化合物)は一般に複雑な構造をしています。最終化合物をつくるには、構造を複数のパーツに分け、パーツ同士を結合させる作業が必要です。「接着剤」であるハロゲンを持つアルキルハライドは、このパーツとして適任なのです。
例えば以下のように、化合物Aを使って最終化合物Bをつくりたいとしましょう。
最終化合物Bをつくるには、化合物Aの2番目の炭素に
という構造を、6番目の炭素に
という構造を結合させる必要があります。この場合、これらの構造に臭素が結合した
と
という2種類のアルキルハライドをパーツとして使用します。これらのアルキルハライドと化合物Aとをカップリング反応させることで、最終化合物Bをつくることができるのです。
アルキルハライドシリーズ一覧と各化合物の用途
マナックのアルキルハライドシリーズにはさまざまな化合物があり、これらは主に電子材料やイオン液体、薬、香料などの中間体(パーツ)として使用されています。
マナックが販売するアルキルハライド化合物の一覧と各化合物の用途、構造式は以下の通りです。この記事を読んでくださっているあなたの求めるパーツがないか、ぜひ探してみてください。