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酸性や塩基性の特性を与える/「α-ブロモ化合物」シリーズ

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1851

【CAS No.】535-11-5
【化学名】2-ブロモプロピオン酸エチル
【化学式】C5H9BrO2

マナックは、臭素やヨウ素などの「ハロゲン」を含む化合物(ハロゲン化合物)を製造・販売しており、薬や家電製品、半導体材料などの中間体として利用されています。販売品の一例としては、「アルキルハライド」「α-ブロモ化合物」「異種ハロゲン化合物」等のシリーズがあります。

今回は「α-ブロモ化合物」シリーズの特徴や用途などを解説します。

■ この記事でわかること
✔ マナックは、α-ブロモ化合物を製造し、これらは主に薬や半導体材料の中間体として利用されている
✔ α-ブロモ化合物は反応性が高く、少ないエネルギーで他の化合物と結合できる 
✔ マナックは臭素化合物の製造とカップリング反応に強みを持つ 

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α-ブロモ化合物とは?

α-ブロモ化合物は、官能基に隣接した炭素(α位の炭素)に臭素(Br)が結合した化合物です。官能基とは、化合物に酸性(水素イオンを放出する性質)や塩基性(水素イオンを受け取る性質)といった特定の性質を与える構造です。

例えば、カルボン酸基(-COOH)を含む化合物は酸性で、アミノ基(-NH2)を含む化合物は塩基性になります。また、アルデヒド基(-CHO)を含む化合物は、酸化してカルボン酸になりやすいという特徴があります。

α-ブロモ化合物のようにα位にハロゲンが結合した化合物は一般に反応性が高く、触ると湿疹やかゆみが出る場合もあります。このような危険性の高い化合物を工業スケールで扱えるのは、臭素の取り扱いに長けたマナックならではの強みです。

ハロゲン部分で他の化合物と「接着」する

2種類の化合物をくっつけるという作業は、

  1. それぞれの化合物の元々の結合を切る
  2. 2種類の化合物の間に新しい結合をつくる

の2つの工程の組み合わせです。

もともとあった結合を切るためには通常大きなエネルギーが必要ですが、炭素と臭素の結合は比較的弱く、少ないエネルギーで狙った位置の結合を切ることができます。その結果として、α-ブロモ化合物の臭素の位置に他の化合物が結合する反応(カップリング反応)が起こります。

つまり、α-ブロモ化合物中の臭素は、自身の位置に別の化合物をくっつけるための「接着剤」として働いているのです。

マナックの営業現場で働く大津寄隆二郎さん

最終化合物の「パーツ」として使われる

電子材料や薬として使われる化合物(最終化合物)は複雑な構造をしています。最終化合物をつくるには、構造を複数のパーツに分け、パーツ同士を結合させる作業が必要です。「接着剤」であるハロゲンを持つα-ブロモ化合物は、このパーツとして適任なのです。

例えば、以下の化合物Aを使って最終化合物Bをつくりたいとしましょう。

最終化合物Bをつくるには、化合物Aの2番目の炭素に

という構造を、5番目の炭素に

という構造を結合させる必要があります。

この場合、これらの構造に臭素が結合した化合物(p-ニトロベンジルブロマイドとアリルブロマイド)をパーツとして使用します。

これらのα-ブロモ化合物と化合物Aとをカップリング反応させることで、最終化合物Bをつくることができるのです。

α-ブロモ化合物シリーズ一覧と各化合物の用途

マナックのα-ブロモ化合物シリーズにはさまざまな化合物があり、これらは主に薬や感光体材料などの中間体(パーツ)に使われています。

マナックが販売するα-ブロモ化合物の一覧と各化合物の用途、構造式を以下に示します。いま、この記事を読んでくださっているあなたの求めるパーツがないか、ぜひ探してみてください。

マナックは、α-ブロモ化合物をつくるための臭素化やヨウ素化だけではなく、α-ブロモ化合物を使った各種カップリング反応も得意としています。そのため、マナックでは中間体の製造から高次化合物の生産までを一括して請け負うことが可能です。

上記カタログ内に求めるパーツがあれば、そのパーツを使った高次化合物の合成を、マナックに相談いただけたらと思います。

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