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スタッフストーリー

無数の「肝を冷やすこと」を情報共有で解決/創業70余年、貫く「安全生産」の理由①

マナックで取り扱っている主原料の一つである臭素は、取り扱いや管理に大変な神経を使う化学物質(劇物)です。この臭素や化学物質を安全に取り扱い、安定した生産を続けるには、取り扱う物質の性状を十分理解して、決められたルールを遵守する事。また安全衛生への取り組みが正しく社内に共有されている事が重要となります。福山工場(広島県福山市)で、ものづくり部門の責任者を務める副工場長の大原和彦さんに、その秘訣を聞きました。2回にわけてお伝えします。

二つのHと二つのKの意味

大原さんのお仕事について教えてください。

マナックの福山工場で副工場長を務めています。福山工場では、研究・開発スタッフや製造部門、環境品質保証部門など約160名が働いています。福山工場でものづくりを担う製造部の業務改善から人材の育成、安定生産、安全衛生、防火管理まで幅広く目配りし、社員たちが安全かつ安心して働くことができるような快適な職場環境を整えることが、私の仕事です。

工場での安全衛生には、どのように取り組まれていますか。

社内に安全衛生委員会を設け、社員の安全や職場環境を良くするために、工場方針のもと重点施策として定めた項目を中心に活動を行っています。委員会内にはワーキンググループが置かれ、それぞれ、テーマを決めて自主的に活動しています。

どんなテーマがありますか。

たとえば、HとKを二つずつ重ねた「H・H、K・K(ヒヤリ・ハット、キ・ガカリ)」と呼ばれる活動は、幸い事故にはいたらなかったけれど、思わず「ヒヤリ」と肝を冷やし、「ハット」驚かされた体験、さらに危険があるのではないかと「キ・ガカリ」に思うことを、製造にかかわる現場のみんなで共有し、早めに対策することで、大きな事故を未然に防ぐ取組みです。

無数の「ヒヤリ・ハット」を集めて

実際にはどのような「ヒヤリ・ハット」があるのでしょうか。

小さい事例でいえば、階段でつまずいて転げ落ちそうになったり、通路で配管などの障害物にぶつかりそうになったりするものも、「ヒヤリ・ハット」です。また、工場内を運行するフォークリフトやトラックと接触しそうになったり、荷下ろしや荷積みの際に転落したりするケースも当てはまります。

そのほかにも、原料(化学薬品)の仕込み量を間違えそうになったり、製造レシピに細かく定められている圧力や温度の管理値を超えそうになったりと、危険に直結する事例も考えられますね。「ヒヤリ・ハット」の例は無数にあります。大きい事故を起こさないために、それらの小さい事象の段階で早めに対策すること、また、同様な事象を起こさせないように各部署で情報を共有していくことが重要になります。

危険な化学物質と向き合う作業員

工場では毒劇物も扱っていますね。管理は大変ですか。

マナックの工場で大量に扱っていて、もっとも危険な物質の一つに、臭素があります。臭素は、赤褐色の液体で刺激臭があり、毒性の高い物質です。もし漏れてしまった場合には、揮発性が高く、拡散し易いため、広範囲に影響を及ぼし、大惨事を招く危険性があります。取り扱いや管理には、慎重の上にも慎重を期しています。

全身カバーの防護服で対応

ずいぶん、気をつかいそうですね。作業員に危険はないのですか。

肌に付着すると薬傷し、皮膚がただれることもあります。誤って吸い込んだら、その瞬間に気管支がやられ、呼吸困難となり、ひどい場合には死に至ります。作業をするときには、保護面、保護マスク、保護手袋、全身をカバーするような保護服といったものを装着して、万が一に備えています。
マナックでは、臭素の受け入れ設備に5000ℓと8000ℓの2基のタンクがあり、ほぼ毎日、臭素を受け入れ、ポンプなどを使用して工場へ輸送しています。定期的に、設備の点検やメンテナンスを実施しており、人に危害が及ばないように工場の安全操業に努めています。

※次回は、過去に発生した事案とその対処事例などを紹介します。

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