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スタッフストーリー

社内に自衛消防隊を設置し作業員のメンタルケアも定期実施/創業70余年、貫く「安全生産」の理由②

マナック福山工場(広島県福山市)のものづくり部門の責任者である副工場長の大原和彦さんが、工場の安全対策を明かすインタビューの2回目は、過去に発生した事案を振り返り、いかにミスを減らし、致命的なエラーをなくすか。その秘訣をうかがいました。

■ この記事でわかることマナックは緊急時に社内自衛消防隊が迅速に対応し、事態を収束させる体制を持つ。日々の安全管理や事故防止が、工場運営の継続において最も重要である。従業員のメンタルケアも含めた健康管理が、職場環境の改善に繋がっている。 

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わずかに残っていた液剤が……

これまでに印象に残っている事案はなんでしょうか?

印象的だった事案としては、配管の点検をしていた際、薬液が少し配管のなかに残っていたのですが、それに気づくことができず、薬液が作業員にかかり負傷してしまったという事故がありました。

緊急メールに背筋がヒヤリ

そうした緊急事態の際はどのように対応されるのですか。

各工場には非常ベルが各所に設置されていて、緊急事態の際にはそれを押すことで工場全体に伝わります。非常ベルが作動すると、ただちに社内の自衛消防隊組織に移行し、人命救助、安全確保と緊急事態の鎮圧に向けて速やかに活動を行います。会社が休日の場合は、関係者へ緊急事態の発生メールが一斉送信されます。
この連絡システムによって、携帯に「福山工場で緊急事態が発生しました。」というようなメールが届くわけですが、その時点では何が起こったのか詳しい状況はわかりません。通知が届くとヒヤリとしますね。

事故が起こった後の始末は、どんな対応を取るのですか。

事故が起こった後は、社内で早急に原因を究明し、恒久対策を立てて、官庁関係(消防署、保健所、労働基準監督署など)に改善報告書を提出する必要があります。なぜ事故が起こったかという真の原因を究明し、今後二度と起こさないようにする事が重要となります。
改善策とは、設備を改めることであったり、製造レシピの変更であったり、できうる対策はすべて立てる必要があります。あらゆる危険性の芽をつぶしていくような対策が求められます。

事故発生を想定した訓練なども実施していますか。

「薬液が漏れた」「火災が発生した」などの緊急事態の発生を想定した防災訓練を、年に2~3回実施しています。訓練できないことは、当然本番でもできないので、事前に訓練を実施することが非常に重要となります。

これには地震や台風などの天災を想定した訓練も含まれています。地震などによる避難場所の確保や最低限の飲料水や食料も備蓄しています。また、災害時に怖いのは停電です。台風などによる停電で設備が止まってしまうと非常に不安定な状態になりますので、事前に台風の接近情報を解析し、いつ設備が止まっても大丈夫なように準備をしておくのも、大切なことです。

化学物質の管理からメンタルケアまで

化学物質の管理についてはいかがでしょうか。

化学物質は法令などによって規制されていますが、最近では年々、その管理が厳しくなってきています。規制の対象となる物質の基準も厳しくなり、これまで一般的に使われていた物質でも、環境や人体などへの影響が大きいことが判明して使用を制限されたものや管理の対象となったものもあります。

今後、さらに厳しくなっていけば、その規制に合わせてマナックにおいても物質そのものの代替を考えるか、発生の抑制に対応した設備に変えていかなければなりません。

化学物質の取扱いはどのように注意されていますか。

「GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)」と呼ばれる化学品の危険有害性を世界共通の絵柄で表したものや、「SDS(安全データシート)」という情報シートなどで、情報を共有できる体制をとっています。また、作業者への教育も適時行って、安全に取り扱いができるように維持しています。

社員の健康維持も安全衛生に含まれますか。

もちろんです。社員みんなが健康に過ごせるよう、年2回の定期健康診断を実施して、結果に対してフォローをしているほか、作業環境の改善活動も継続して実施しています。心の健康についても、外部から講師を招いて「メンタルヘルス講習会」など定期的に実施しています。また、日々のミーティングの際などに、何か様子がおかしいと感じたら声かけをするなど、みんなが、目配り、気配りを実践して、ゲートキーパーとなり、より良い職場環境づくりに努めています。

あたりまえのことを確実に、地道に、継続して

多岐にわたる業務のなかで、もっとも大変だと感じることはなんでしょう。

事故がなく、怪我もなく、設備トラブルもなく計画どおりに、安定して生産活動を続けることでしょう。今は大きな事故もなく生産活動をしていますが、当たり前のように安全を担保し、維持していくことは、やはり大変です。大きな事故が起きて工場が停止してしまったら、ものづくりが出来なくなってしまいますから、怪我や事故を起こさない。そのための日々の努力が大切です。何も特別なことをしているわけではなく、あたりまえのことを確実に、地道に、継続してやることが大事なのだと思います。

もう一つは、人の育成ですね。人をうまく育てていかなければいけませんが、これもまた難しい仕事かもしれません。毎年悩みながら対応しています。

マナックは、社員の思いが主張できて、やる気さえあれば自分の考えやアイディアなどを活かすことができる会社だと思います。次代を担う若い社員たちには、安全文化を守りながら、のびのびと力を発揮して大いに活躍してほしいです。

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